
コラムTQEや品質工学以外の書き込みが多数投稿されておりますので,
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2012年09月04日
bT009_研究会という場で世界は広いことを知る
8月24日(金)午後、定例のTQE定例会が開催された。この日、第197回を迎える研究会だが、参加者の平均年齢がもっとも低かったのではないだろうか。アカデミックインターンシップということで、仙台向山高校の生徒が11名参加したからだ。
注記:「アカデミック・インターンシップ」とは、高校2年次の生徒が、進路決定の一助のために大学とはどんなところなのか、どんなことを学んでいるのか等を実際に大学を訪問して調べるものである。
研究会会長である宮城教育大学教授の小野先生が教育関係を目指す生徒十数名を受け入れることにした。最終日の3日目の午後に研究会に参加するというプログラムを組んだ。
私は当日司会をすることになっていたため、最初にどう切り出そうかと考えていた。いきなり違う世界に入るので緊張しっぱなしではいけない。気の利いたことを話そうと考えていた。
2日前の朝、新聞を目にしていたら一つのコラムが目に入った。タイトルが「心の傷 いまも深く」というもので「いじめ問題」への対処法について二人のアドバイスが載っていた。そのうちの一つが脳科学者の茂木健一郎によるものだった。三つのメッセージが書かれていた。
1.学校は唯一の教育現場ではない。学ぶ方法は各人それぞれ。
2.世界は広いことをできるだけ早くから知って欲しい。
3.本物の人に、できるだけ早く出会うこと。
このような気持ちをもって、4時間の研究会を過ごしてもらえばいい。そう思った。そして、簡単な資料を作って冒頭で紹介した。
高校生に向けて話をしながらこれは生徒だけではない。我われ社会人も同じことが言える。そう思った。
会合の最後に生徒一人ひとりから感想を聞いた。。「大人の人たちが、こんなに熱心に議論している様子に驚いた」という感想を述べた生徒が多かった。目が輝いており、何らかの気づきは与えられたものと思う。我われとしては当たり前のことが、この場に初めて参加した人にとってはそうではないことを再認識した。
私は今年の3月定年を迎えた。幸いにも仕事の関係で国内外で多くの人と会うことができた。私に影響を与えた出会いのなかでも多くを占めるのが品質工学を通である。毎月一回開催されている定例会でも同じことが言える。会社の中での仕事ではどうしても狭い視野になりがちである。もっと色々な考え方があるんだという気づき、そして、感動を与えてくれたのもこの研究会である。
品質工学を人の力を借りずに自ら学んでみようという姿勢、それはそれで大事だとは思う。でも、一度は、研究会に足を運んでみてはいかがだろうか。世界は広いことを知る一つの場であることに間違いはない。大げさに聞こえるかも知れないがあなたの人生が変わる可能性を秘めている。
注記:「アカデミック・インターンシップ」とは、高校2年次の生徒が、進路決定の一助のために大学とはどんなところなのか、どんなことを学んでいるのか等を実際に大学を訪問して調べるものである。
研究会会長である宮城教育大学教授の小野先生が教育関係を目指す生徒十数名を受け入れることにした。最終日の3日目の午後に研究会に参加するというプログラムを組んだ。
私は当日司会をすることになっていたため、最初にどう切り出そうかと考えていた。いきなり違う世界に入るので緊張しっぱなしではいけない。気の利いたことを話そうと考えていた。
2日前の朝、新聞を目にしていたら一つのコラムが目に入った。タイトルが「心の傷 いまも深く」というもので「いじめ問題」への対処法について二人のアドバイスが載っていた。そのうちの一つが脳科学者の茂木健一郎によるものだった。三つのメッセージが書かれていた。
1.学校は唯一の教育現場ではない。学ぶ方法は各人それぞれ。
2.世界は広いことをできるだけ早くから知って欲しい。
3.本物の人に、できるだけ早く出会うこと。
このような気持ちをもって、4時間の研究会を過ごしてもらえばいい。そう思った。そして、簡単な資料を作って冒頭で紹介した。
高校生に向けて話をしながらこれは生徒だけではない。我われ社会人も同じことが言える。そう思った。
会合の最後に生徒一人ひとりから感想を聞いた。。「大人の人たちが、こんなに熱心に議論している様子に驚いた」という感想を述べた生徒が多かった。目が輝いており、何らかの気づきは与えられたものと思う。我われとしては当たり前のことが、この場に初めて参加した人にとってはそうではないことを再認識した。
私は今年の3月定年を迎えた。幸いにも仕事の関係で国内外で多くの人と会うことができた。私に影響を与えた出会いのなかでも多くを占めるのが品質工学を通である。毎月一回開催されている定例会でも同じことが言える。会社の中での仕事ではどうしても狭い視野になりがちである。もっと色々な考え方があるんだという気づき、そして、感動を与えてくれたのもこの研究会である。
品質工学を人の力を借りずに自ら学んでみようという姿勢、それはそれで大事だとは思う。でも、一度は、研究会に足を運んでみてはいかがだろうか。世界は広いことを知る一つの場であることに間違いはない。大げさに聞こえるかも知れないがあなたの人生が変わる可能性を秘めている。
(by TomUi, 2012年9月4日)
posted by TQE at 03:55| blog TQE
2012年08月28日
bT_008 心理学版「北風と太陽」 in イソップ物語
8/24(金)、私が私淑している田坂広志氏から届いたメルマガのタイトルが、「心理学版・イソップ物語」というものだった。田坂さんが警鐘を鳴らしている現代の病「操作主義」について、「北風と太陽」の童話をもとに解説している。
注記:操作主義とは人をあたかも機械のようにコントロールできると思ってしまうこと。
私は、品質工学を普及する仕事に携わっている。相手に、品質工学を使わせようという気持ちになりがちである。「操作主義」に陥ってはいないか自分に問う必要性を感ずる。
以下、田坂さんが配信したメッセージをそのまま転載する(田坂さんご本人の了解済みである)。参考になれば幸いである。
田坂広志 「風の便り」 特選 第53便(2012年8月24日)
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田坂広志 「風の便り」 特選 第53便
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心理学版・イソップ物語
イソップ物語に、
「北風と太陽」という、有名な話があります。
北風と太陽が、
どちらが旅人のマントを脱がせることができるか、
その力を競う話です。
北風は、力ずくで無理やり脱がそうとして失敗しますが、
太陽は、旅人をポカポカと暖めることによって、
自然にマントを脱がせることに成功するという話です。
この物語の「心理学版」をご存知でしょうか。
まず、北風が、
「俺が、旅人のマントを脱がせてみせる」と言って、
マントを剥ぎ取ろうと、強い風を吹きつけます。
しかし、旅人は、寒さのあまり、
ますますしっかりとマントをつかんで離さないため、
北風の試みは失敗に終わります。
ここまでは、同じ物語です。
そこで、太陽が、
「私が、旅人のマントを脱がせてみせましょう」と言って、
旅人を、ポカポカと暖めます。
すると、旅人は、
暑さのあまり、自然にマントを脱ぐのではなく、
太陽に向かって、こう言うのです。
太陽さん。そうしてポカポカと暖めて、
私のマントを脱がそうとしているのでしょう。
でも、残念ながら、
私は、あなたの思うとおりにはなりませんよ。
この「心理学版・イソップ物語」は、
我々の心の奥深くに潜む
「他者を自由に操りたい」という願望や、
「密やかな操作主義」の危うさを、教えてくれます。
なぜなら、
我々が心に抱く「密やかな操作主義」は、
恐ろしいほどに、
相手の心に伝わってしまうからです。
2001年12月20日
田坂広志
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この「風の便り 特選便」では、
これまでにお送りした「風の便り」約200便の中から、
特選したメッセージを、お送りしています。
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このメッセージメール「風の便り」は、
田坂広志がご縁をいただいた方々、
「未来からの風フォーラム」のメンバーの方々、
「社会起業家フォーラム」のメンバーの方々に
お送りしています。
この「風の便り」は、皆さんの友人や知人の方々へも、
遠慮なく、送って差し上げてください。
ささやかな縁と共感の輪が広がるならば、幸いです。
この「風の便り」への返信メールは、
私の個人アドレスに届きます。
ご意見やご感想をお送りください。
mailto:tasaka@hiroshitasaka.jp
新たな時代の生き方と働き方を学ぶコミュニティ、
「未来からの風フォーラム」と
http://www.hiroshitasaka.jp/
新たな時代の社会起業家をめざすコミュニティ、
「社会起業家フォーラム」の
http://www.jsef.jp
サイトもご覧いただければ、幸いです。
「風の便り」の配信開始、配信停止、配信先変更は、
下記のサイトでお申し込みください。
http://www.hiroshitasaka.jp/tayori/
「風の便り」のバックナンバーをお読みになりたい方は、
下記のサイトをご覧ください。
http://www.hiroshitasaka.jp/tayori/index.php#backnumber
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注記:操作主義とは人をあたかも機械のようにコントロールできると思ってしまうこと。
私は、品質工学を普及する仕事に携わっている。相手に、品質工学を使わせようという気持ちになりがちである。「操作主義」に陥ってはいないか自分に問う必要性を感ずる。
以下、田坂さんが配信したメッセージをそのまま転載する(田坂さんご本人の了解済みである)。参考になれば幸いである。
(by TomUi、2012年8月28日)
田坂広志 「風の便り」 特選 第53便(2012年8月24日)
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田坂広志 「風の便り」 特選 第53便
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心理学版・イソップ物語
イソップ物語に、
「北風と太陽」という、有名な話があります。
北風と太陽が、
どちらが旅人のマントを脱がせることができるか、
その力を競う話です。
北風は、力ずくで無理やり脱がそうとして失敗しますが、
太陽は、旅人をポカポカと暖めることによって、
自然にマントを脱がせることに成功するという話です。
この物語の「心理学版」をご存知でしょうか。
まず、北風が、
「俺が、旅人のマントを脱がせてみせる」と言って、
マントを剥ぎ取ろうと、強い風を吹きつけます。
しかし、旅人は、寒さのあまり、
ますますしっかりとマントをつかんで離さないため、
北風の試みは失敗に終わります。
ここまでは、同じ物語です。
そこで、太陽が、
「私が、旅人のマントを脱がせてみせましょう」と言って、
旅人を、ポカポカと暖めます。
すると、旅人は、
暑さのあまり、自然にマントを脱ぐのではなく、
太陽に向かって、こう言うのです。
太陽さん。そうしてポカポカと暖めて、
私のマントを脱がそうとしているのでしょう。
でも、残念ながら、
私は、あなたの思うとおりにはなりませんよ。
この「心理学版・イソップ物語」は、
我々の心の奥深くに潜む
「他者を自由に操りたい」という願望や、
「密やかな操作主義」の危うさを、教えてくれます。
なぜなら、
我々が心に抱く「密やかな操作主義」は、
恐ろしいほどに、
相手の心に伝わってしまうからです。
2001年12月20日
田坂広志
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この「風の便り 特選便」では、
これまでにお送りした「風の便り」約200便の中から、
特選したメッセージを、お送りしています。
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このメッセージメール「風の便り」は、
田坂広志がご縁をいただいた方々、
「未来からの風フォーラム」のメンバーの方々、
「社会起業家フォーラム」のメンバーの方々に
お送りしています。
この「風の便り」は、皆さんの友人や知人の方々へも、
遠慮なく、送って差し上げてください。
ささやかな縁と共感の輪が広がるならば、幸いです。
この「風の便り」への返信メールは、
私の個人アドレスに届きます。
ご意見やご感想をお送りください。
mailto:tasaka@hiroshitasaka.jp
新たな時代の生き方と働き方を学ぶコミュニティ、
「未来からの風フォーラム」と
http://www.hiroshitasaka.jp/
新たな時代の社会起業家をめざすコミュニティ、
「社会起業家フォーラム」の
http://www.jsef.jp
サイトもご覧いただければ、幸いです。
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