keijiban.bmp コラムTQE よろず掲示板はこちら(閉鎖中)

コラムTQEや品質工学以外の書き込みが多数投稿されておりますので,
掲示板はしばらくの間,閉鎖いたします.

2012年12月11日

(24) 2乗和の分解とSN比


品質工学では、機能の安定性(あるいは、
機能の確実性)の測度として、「SN比」
を用います。

SN比は、その基本的数理を2乗和の分解に
おいています。

得られた個々のデータを2乗して和をとると、
見事に有効な成分と無効な成分の二つに分解
することができます。

これができるのが2乗だけです。このような
重宝な性質をもっているので、機能の安定性
をSN比で評価することができるように
なりました。

有効な成分と無効な成分に分類したら、さらに
計算処理を行います。

y=βMの傾きであったβの2乗とy=βM
からのずれ分であるσの2乗に分けて比を
とります。それが、SN比です。

通常は対数をとって10倍した値で表現されます。
単位はデシベル(db)です。その値は、−∞から
+∞の値をとります。

どんな技術でも、SN比で表すことで、効率の
よい評価ができるようになりました。


121211(2乗和の分解).JPG


(by TomUi、2012年12月11日)
posted by TQE at 03:05| SN比

2012年12月07日

(23) 出力を有効な項と有害な項に分離


   理想状態をy=βMと定義したら、個々の
   計測特性yを有効な項と有害な項に分けて
   みます。

   すると下の赤で示した式となります。


   個々の点に対して有効な項であるβMとそれ
   以外の項に分けられることになります。

   有害な項の大きさが大きいほど機能のばらつき
   が大きいという見方ができます。

   しかし、個々の点についてのβMとそれ以外の
   有害な項の大きさがわかっても総合的な判断
   は難しいため、SN比で表すことになります。

121207(有効な項、有害な項に分離).JPG

(by TomUi、2012年12月7日)
posted by TQE at 03:07| SN比

2012年12月06日

(22) 理想状態を表す式、y=βM

技術の観点から、出力を表す式を考えてみます。

技術の目的は、現象を説明することではありません。
出荷してからの機能のばらつきを減らすことです。
品質上で発生する損失を減らすことです。

そこで、品質工学では機能を定義し、理想状態
というものを考えます。

もっとも多く使われるのがy=βMという
ゼロ点比例式です。機能はエネルギーの変換と
いう考え方をすれば、ほとんどの場合、
    y=βM
で表すことができます。

最初に、理想状態を定義し、次のステップで
理想状態からのずれ(ばらつき)をとらえます。

そして、設計を変えて、その理想状態に近づける
ことを目的にします。


科学でのアプローチのように、現象を調べること
が目的ではありません。

121206(y=βM).JPG

(by TomUi、2012年12月6日)
posted by TQE at 03:24| SN比