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2012年11月22日

スコーピング(Scoping)=技術課題を解決するための戦略・戦術

11/5(月)にアップした「コラムTQE」の「今週の言葉」
(以下)に対して、田口伸さんからコメントが届きました。

(012)決められた手順どおりにやるだけのパラメータ設計
になってはいけない

http://tqe-column.sblo.jp/article/57293317.html


=========== 田口伸さんから、宇井へ ===========
(2012/11/10 00:58)
おっしゃる通りですね。
コンサルティングをしていると陥りやすい落とし穴です。
手順を追ったほうが指導しやすいのです。

ASIの手順は以下のようになっています。
1.スコーピング
2.理想機能
3.信号とノイズの戦略
4.制御因子と水準
5.実験とデータ収集
6.データ解析
7.最適化・推定・確認
8.アクションプラン
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さて、最初の手順のスコーピングだが、耳慣れない言葉
という読者も多いと思う。

一言でいえば、「技術課題を解決するための戦略、
戦術」です。

121122(設計コンセプト).JPG

さらに、田口伸さんに質問しました。わかりやすく
回答していただいたので、以下に示します。

(by TomUi、2012年11月22日)

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スコーピングに関するQ&A
posted by TQE at 03:07| QEの横顔

2012年09月21日

(8) 答えのない問いを問い続ける力

ネットで「知能」、「知性」について調べると様々な定義がありました。どれも難しい表現でついていけませんでした。

田坂広志は、ネットラジオの中で次のように定義していました。直感としてとてもわかりやすかったです。また、とても考えさせられる説明でした。

知能とは、答えの存在する問題に対していかに早く正確にその答えにたどり着くかという能力。
知性とは、答えのない問いを問い続ける能力。


詳しくは、次へアクセスしてください。約40分の田坂氏の講演を聴くことができます。
http://www.sophiabank.co.jp/audio/japanese/2011/12/post_374/

QEの横顔(8).JPG


後半のお話しに「知能と知性の違い」が出てきます。


この見方によれば、品質工学は間違いなく知性が要求されます。

技術開発をする上で必ず必要なのが計測です。しかも、大変重要です。何しろ我われは計測した結果をみて次のアクションを決めることになります。効率よく的確な評価ができれば、開発期間を大幅に短縮することができます。

それでは、どう計測すれば良いのでしょう。答えはありません。「より良い計測とは何か?」この問いを問い続ける必要があります。

QEの横顔(8)c.JPG

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知性が要求されるもう一つの話しがあります。

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 田坂広志 「風の便り」 特選 第56便(2012年9月14日)   
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 やまあらしのジレンマ



 あるところに、二匹のやまあらしがいました。

 冬の朝、とても寒いので、
 二匹のやまあらしは、
 互いに暖めあおうとして、身を寄せあいました。

 しかし、あまりに近く身を寄せあったため、
 二匹のやまあらしは、
 自分の体に生えているハリによって、
 互いに相手を傷つけてしまいました。
 
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posted by TQE at 04:23| QEの横顔

2012年09月11日

(7) 空手の瓦割りにみる技術の本質

9/7(金)、田坂広志氏からメッセージが届きました。空手による瓦割りのエピソードから「戦略思考」の要諦へと話を広げています。いつも着眼点、発想の豊かさに驚かされます。

品質工学でも同じことが言えます。

技術を眺めるとき、どうしても目に見えるもの、表面的なものにとらわれがちです。技術の働きとは何か、一体この技術で何をなそうとしているかなど、技術の本質に目を向ける必要があります。そうしないと、気がついたらもぐら叩き的な開発になってしまいます。量産が始まると、現場でのばらつき問題で右往左往させられ、市場に製品を投入すればトラブルが頻発し火事場の火消しに終始させられことになります。

そうならないための考え方、方法論が品質工学にはあります。

まずは、技術の評価に、SN比を使う、損失関数を使う、さらに、パラメータ設計を使ってみることです。このとき注意することがあります。

   「利便性だけを求めない」

 品質工学が用意されたツールを使いながら、その技術の目的、技術の働きを考えましょう。そうすると自然に技術の本質を見るようになっていきます。そして、技術者としてのカンが働き出すことになります。

以下、田坂さんから配信されたメッセージを転載します。
QEの横顔(7).JPG

(by TomUi、2012年9月11日)


田坂広志 「風の便り」 特選 第55便(2012年9月7日)

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 田坂広志 「風の便り」 特選  第55便    
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 「戦略思考」の要諦



 学生時代、友人に空手の有段者がいました。
 あるとき、彼が素手で瓦を割るのを見せてくれました。

 彼の突き出した拳で
 一撃のもとに瓦が割れたのを見て感心していると、
 「君もやってみろ」と言います。

 スポーツで鍛えた体に多少の自信はあったので、
 試しに、彼の拳の打ち方を真似して、
 力を込めて瓦を打ってみました。
 しかし、瓦はびくともせず、拳がしびれるように痛い。

 そのとき、彼の語った言葉が、
 いまも心に残っています。


  君、それでは瓦は割れないよ。
  なぜなら、君は瓦の表面を狙って打っているからだ。
  もし、瓦を割りたかったら、瓦の表面ではなく、
  表面のその先、数センチ奥を狙って打たなければ駄目だ。
  そのとき、瓦の表面での破壊力が最大になるのだよ。


 彼の言葉に従って、
 瓦がすぐに割れるようになったわけではありません。

 しかし、この言葉は、
 それからの長い歩みの中で、
 ときおり、深い意味を持って思い起こされました。


 なぜならば、これは、
 「空手の極意」を語った言葉ではなく、
 「戦略思考の要諦」を語った言葉だったからです。



 2002年1月17日
 田坂広志


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posted by TQE at 02:54| QEの横顔